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歴代受賞団体 2015年

第4回 生物多様性日本アワード(2015年)

※第4回(2015年)は、グランプリとあわせ5組の優秀賞が選出されました。

グランプリ

エゾシカの先進的な資源的活用促進事業

シカ問題が激化した北海道においてエゾシカの適正な個体数管理が強く求められる中、シカ肉を適正に利用し、森林保全に還元する仕組みを作ることは急務であった。しかし、食肉利用の際に最も重要な衛生管理体制が未整備であったため、エゾシカ協会は平成19年に厳しい衛生基準をクリアしている解体処理場の製品の認証制度を創設した。さらに平成24年からは認証処理場で処理された肉の加工食品の認証制度をスタート。平成27年からは肉の検査者となるシカ捕獲者の認証制度創設にも取り組んでいる。本プロジェクトは、安心安全なシカ肉の流通により、森とエゾシカと人との適正な関係を築き、シカ肉の資源的価値の向上に貢献するものである。

優秀賞(団体名五十音順)
  • お茶で琵琶湖を美しくお茶で日本を美しく」プロジェクトを通じた生物多様性保全の取り組み

  • 「お茶で琵琶湖を守りたい」という思いから「琵琶湖環境保全活動」を毎年継続実施。地元ニーズと自然保全の専門性とを学習することで社員の能力向上を図りながら、持続可能な活動となる仕組みを作り上げた。この経験を活かし水環境を守る「お茶で日本を美しく。」活動を全国へと拡大。201の支店を「活動支援拠点(プラットフォーム)」として位置づけ、消費者・行政・NPO・コミュニティと連携しながら、寄付と社員・ボランティアによる実地活動を一体化。生物多様性の保全、「地域づくり」「人づくり」につながるCSR活動を目指し、活動を続けている。

  • 水辺環境の保全・再生の実践と地域活性化

  • 九州の川の応援団は、生物多様性に関する徹底した科学研究により、生物多様性に寄与する技術的な提案を作成、実施してきた。また、その成果を市民に対しビジュアル化して示すことで、生物多様性の素晴らしさ、豊かさの共有に努めている。川づくり事業計画への参加と主体的取り組み、小さな自然再生、市民の駆け込み寺、合意形成、自然再生を地域活性化へつなげるための仕組みづくり、環境教育等を、様々な主体と協働して実践し、河川環境における生物多様性保全・再生の取り組みを楽しく展開することで、地域の活性化に大きく貢献してきた。

  • 市民力を結集してドブ川を多様な生き物がすむ「ふるさとの川」に再生・復活

  • 高度経済成長に伴う環境悪化により1960年代にドブ川と化した「源兵衛川」を再生するため、市民・NPO・企業・行政とのパートナーシップによる実践的・持続的なグラウンドワーク活動を実施。「水の都・三島」の原風景である水辺自然環境の復活に大きく寄与した。グラウンドワーク三島は、市民・NPO・企業・行政の利害調整を行い、それぞれの専門性を発揮できる地域協働の仕組みを構築し、地域課題を市民の発意により解決する「市民公協事業」を実践してきた。三島の生物多様性の再生を目的とした市民主導の活動は23年間にわたり発展的に継続されており、その活動の効果は「地域再生・観光振興」にまでも拡大している。

  • 大谷ハチドリ計画(Ohya Hummingbird Project)

  • 寒流と暖流がめぐる三陸の恵まれた自然を有しながら、農林水産業は衰退し従事者も減少している。その衰退により地域の暮らしを支えていた自然は手入れもされなくなり、さらに松枯れや磯焼けなどの異変が追い打ちをかけるように発生した。この状況から地域の自然と暮らしを守るため、大谷中学校の生徒達は一人一人が「私にできること」を実践し始めた。松枯れが林業、磯焼けが漁業に関わることから、農業としてのふゆみずたんぼを加え、大谷の自然と農林水産業すべてを学ぶ体制を確立。このプロジェクトは地域機関や研究機関の協力を得ながら、幼小中が連携する「大谷ハチドリ計画」となり、地域の自然を守ることから地域を元気にする活動へと大きな広がりを見せている。

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