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2012/10/24
ガメス博士 コスタリカ大使 生物多様性センターをご訪問

 

2012年10月24日、ロドリゴ・ガメス=ロボ博士(コスタリカ 生物多様性研究所(インビオ)代表)とアルバロ・セデニョ・モリナリ駐日コスタリカ大使が、環境省自然環境局生物多様性センターを訪問されました。

 

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生物多様性センターは、日本政府の生物多様性国家戦略を受け1998年に山梨県富士吉田市に設立されて以来、日本における生物多様性の保全を積極的に推進し世界の生物多様性の保全に貢献するための中核的拠点としてその役割を果たしてきました。

同センターでは、自然環境保全基礎調査(「緑の国勢調査」)の実施、生物多様性情報の収集・管理・提供、文献等資料及び動植物標本の収集・保管、生物多様性の保全に関する普及啓発を4つの柱とした総合的業務が実施されています。

 

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ガメス博士は、コスタリカにおいて世界を代表する生物多様性センター「インビオ」を設立・主導。インビオを介して生物多様性の保全と持続可能な利用について独創的で具体的な成功例を示してこられた業績が高く評価され、2012年、The MIDORI Prize for Biodiversity の受賞者のひとりに選出されました。こうした業績に加え、ガメス博士がコスタリカ政府と緊密に連携しながら国家環境政策に取り組んでこられたという経緯から、両国の親交を温め、また両センターの相互理解を深めるため、ガメス博士とセデニョ大使による生物多様性センターへの視察が実現しました。

 

今回のご訪問においてガメス博士は、一般訪問者向けアクリル樹脂封入標本の作成、クイズやぬいぐるみで遊びながら日本の固有種や生物多様性問題への理解を深める展示方法、ウェブサイト「いきものめっけ」を介した一般の方による生物写真の投稿など、同センターにおける独自の普及啓発活動に関心を寄せられ、また標本作成については、同センターが採用する総合的有害生物管理法(Integrated Pest Management)*に着目されました。

 

バーコードによる標本管理、ウェブを活用した情報管理・提供など、インビオと同センターが共通して実施している業務に関する情報交換によって両センターの相互理解が深められ、視察の最後には、両センターの今後の協力可能性を視野に、ガメス博士から同センター図書室に、生物多様性関連書籍が寄贈されました。

 

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この訪問に関し、ガメス博士は次のように述べられました。「生物多様性センターへの訪問は非常に興味深くまた参考になりました。生物多様性関連事業に従事する我々のような者にとって日本など他国の生物多様性センターがどのように運営されているかを知ることはとても重要なことなのです。今回、生物多様性調査、情報管理、教育、生物多様性に関する認識の向上といった我々の活動とも関連の深いアプローチについて知ることができました。」

 

 

 

 

総合的有害生物管理法(Integrated Pest Management)   *有害生物の生態的特性を考慮し、人や環境に影響の少ない方法を組み合わせて、標本害虫及びカビの発生を防ぐ予防対策中心の管理方法。同センターが位置する富士山ろくの冷涼な環境を生かし、環境や人体への影響を配慮した独自の標本管理対策。

 

 

 

 

写真1: 生物多様性センター全景

写真2: コスタリカ大使(左)とガメス博士(右)、同センター前にて

写真3: 文献を寄贈されるガメス博士(左)、同センター 奥山正樹センター長(右)

 

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