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2013/10/31
「第3回 生物多様性 日本アワード」授賞式が開催されました

2013年10月29日、日本在住の団体・個人による生物多様性の保全と持続可能な利用に関する優れた取り組みを顕彰する「第3回 生物多様性 日本アワード」の授賞式が国連大学ウ・タント国際会議場(東京都渋谷区)において執り行われました。

 

 

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授賞式では、公益財団法人イオン環境財団 岡田卓也理事長による開会のご挨拶の後、第3回の優秀賞を顕彰。さらに優秀賞受賞者の中から、「特定非営利活動法人 田んぼ」(宮城県大崎市)の「津波に被災した田んぼの生態系復元力による復興」のグランプリ受賞が発表されました。

授与式典においては、岡田理事長より、優秀賞受賞者に表彰状、記念品と副賞100万円が、グランプリ受賞者には、表彰状、記念品と副賞200万円が贈られました。

 

本アワード審査委員 岩槻邦男氏(東京大学 名誉教授)による審査講評では、「残念ながら受賞の枠に収まらなかった候補にも、紙一重の差で大きな成果をあげつつある事業主体がある。今後さらなる貢献を重ねられることを期待する。」とのコメントをいただきました。

環境省の星野一昭 自然環境局長からは、後援を代表してご祝辞を賜り、生物多様性の保全と持続可能な利用に関わる活動の展開に今後さらなる期待をお寄せいただきました。

 

 

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受賞団体によるプレゼンテーションでは、それぞれの活動概要を紹介。グランプリ受賞の「津波に被災した田んぼの生態系復元力による復興」の発表では、「ふゆみずたんぼ」農法によって津波被災後の田んぼが抑塩に成功し、その成果を収穫米「福幸米」の販売等の第6次産業につなげていること、専門家の支援を得ながらモニタリングを継続実施していること等が報告されました。今後は、アジアを代表する湿地である水田の生物多様性を世界へ発信するべく、「生物多様性エコ農業アジアモデル」をさらに展開していきたいとしてプレゼンテーションは締めくくられました。

 

授賞式の後半では、本アワードの実行委員・審査委員 赤池 学氏(株式会社ユニバーサルデザイン総合研究所 代表取締役所長)による記念講演「自然化社会をデザインする」が行われ、コストがほとんどかからない生態系サービスや自然のメカニズムを活用する「自然化社会」についてお話いただきました。同講演では「地下資源は枯渇するが、生物資源は適切にマネジメントすれば保全・増産・改変でき持続可能性が高いことから「自然化社会」とはグリーンエコノミーそのものである」という見解が示されました。

 

 

第3回 生物多様性 日本アワード グランプリ

 津波に被災した田んぼの生態系復元力による復興 (特定非営利活動法人田んぼ

 

第3回 生物多様性 日本アワード 優秀賞

 太平洋沿岸カツオ標識放流共同調査と一連の協働・普及啓発活動 (味の素株式会社

 「竹紙(たけがみ)」の取り組み (中越パルプ工業株式会社

 綾の照葉樹林プロジェクト (てるはの森の会

 ネイチャー・テクノロジー創出のシステム構築(ネイチャー・テクノロジー研究会 (東北大学大学院環境科学研究科))

 

写真1 左からイオン環境財団 岡田理事長、特定非営利活動法人田んぼ 岩渕理事長・吉田研究員

写真2 岩渕理事長によるプレゼンテーション

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