イオン環境財団は、2010年に生物多様性みどり賞を設立、生物多様性条約の目標に賛同し、この目標に貢献した個人に対し、顕彰を行ってきました。岡田理事長より、2020年の受賞者として選出されたことをご連絡いただいたときは驚きましたが、大変光栄に存じます。過去のみどり賞受賞者の多くは、世界または地域レベルで、生物多様性への直接的な行動を通じて保全を推進してきた方々ですが、私の仕事には別の目標があります。それは、人類に科学的アプローチを提供し、あらゆる生物に関するデータ管理を迅速化し、地球規模での生物調査システムを実現することです。20年間に渡りこの目標を掲げ研究してきました。その間、研究協力機関「国際バーコード オブ ライフ(International Barcode of Life/iBOL)」には、多くを支えていただきました。「国際バーコード オブ ライフ」を代表して、この賞を受賞できることを大変光栄に存じます。
みどり賞には、象徴的な意味があり、私たち人類は、生物圏の一部であるという事実に立ち返らせてくれます。ここ数十年に渡る人口の急増は、様々な形で生物的な荒廃をもたらしています。今年は未知のウイルスが世界経済を打ち砕き、私たちの生活を一変させました。これは、私たちが地球上の生命について、まだほとんど分かっていないことを知らしめました。更に深刻な別の危機が迫ってきています。それは、この6,500万年の間で最も深刻な生物の大量絶滅に、我々は直面しているということです。人類は危機の際、莫大な資源を動員できることを、COVID-19は明らかにしました。この地球を共有する素晴らしい生物多様性が、人間のパンデミックによって破壊されぬよう、人類は真剣に取り組む必要があります。 生物多様性条約は、それを回避する上で、重要な役割を果たします。人類が自然をサポートするために、知識を深め、行動を起こせるよう、個人、組織、国を動かします。「国際バーコード オブ ライフ」はそれを支援します。