決算レビュー
2026年2月期業績
当連結会計年度(2025年3月1日~2026年2月28日)の連結業績は、営業収益が10兆7,153億42百万円(対前期比105.7%)、営業利益は2,704億59百万円(前期より327億12百万円の増益)、経常利益は2,430億31百万円(前期より188億7百万円の増益)となり、営業収益と営業利益、経常利益が過去最高を更新しました。親会社株主に帰属する当期純利益が726億77百万円(前年同期より455億9百万円の増益)となりました。
当連結会計年度における世界経済は、中東情勢やウクライナ情勢の長期化による資源価格の変動リスクに加え、中国経済の回復の遅れ、米国における政策金利の高止まり及び通商政策を巡る不透明感等を背景に、不確実性の高い状況が続きました。国内経済においては、物価上昇が継続する中、2025年の実質賃金は前年比マイナス圏で推移する月度が多く、年間を通じた回復は限定的となりました。総務省「家計調査」によると、実質消費支出も弱含みで推移する等、家計の実質購買力は引き続き圧迫されました。このため、消費者の節約志向は根強く、生活必需品を中心に購入単価の抑制やプライベートブランド(以下、PB)志向の高まりが見られました。一方で、外食や旅行等のサービス分野は回復基調を維持し、インバウンド需要の拡大も相まって、個人消費の二極化傾向は当連結会計年度を通じて継続しました。
このような経営環境の下、当社は、地域のお客さまの暮らしを支える生活インフラとしての役割を最優先に、商品・サービスにおける価値訴求力の強化と、事業構造の高度化を両立させる取り組みを推進してまいりました。小売事業を取り巻く競争環境が一段と厳しさを増す中においても、ヘルス&ウエルネス事業では、食品分野の強化や調剤併設の推進を背景に、物販・調剤ともに堅調な推移となりました。また、既存アセットの価値最大化に注力したディベロッパー事業や、映画関連収入を中心に安定した収益基盤を確立したサービス・専門店事業が、グループ全体の収益成長を下支えしました。加えて、グループ横断でのコストコントロールの徹底に加え、DXを活用した業務プロセス改革や生産性向上の取り組みが着実に進展したこと、並びに構造的な収益力強化の効果により、当連結会計年度の営業利益及び経常利益は、いずれも過去最高を更新しました。さらに、グループ全体での資本効率性向上を目的として、事業構造改革を加速してまいりました。その過程でさまざまなコストが発生しましたが、2026年1月に実施した株式会社ツルハホールディングス(以下、ツルハ)の連結子会社化により生じた段階取得に係る差益によってこれらのコストを吸収し、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比167.5%増と大幅な増益となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前期末より1兆5,363億39百万円増加し、15兆3,696億58百万円(前期比111.1%)となりました。前期末からの増加の主な要因は、有価証券が4,147億4百万円、有形固定資産が3,419億51百万円、棚卸資産が1,795億69百万円、銀行業における貸出金が1,749億35百万円、のれんが1,163億89百万円、営業貸付金が680億1百万円増加した一方で、投資有価証券が626億円減少したこと等によるものです。
負債は、前期末より1兆4,673億43百万円増加し、13兆1,653億91百万円(前期比112.5%)となりました。前期末からの増加の主な要因は、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が4,400億75百万円、支払手形及び買掛金が3,933億98百万円、銀行業における預金が2,771億44百万円、社債(1年内償還予定の社債を含む)が1,488億42百万円増加した一方で、短期借入金が569億72百万円、保険契約準備金が426億56百万円減少したこと等によるものです。
純資産は、前期末より689億95百万円増加し、2兆2,042億67百万円(前期比103.2%)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前期末より910億21百万円増加し、1兆2,631億23百万円(前期比107.8%)となりました。
営業活動の結果、増加した資金は1兆1,265億89百万円(前期比199.0%)となりました。前期に比べ5,603億71百万円収入が増加した主な要因は、その他の資産・負債の増減額が3,192億24百万円増加、仕入債務の増減額が2,159億88百万円増加した一方で、銀行業における預金の増減額が3,865億71百万円減少したこと等によるものです。
投資活動の結果、減少した資金は1兆886億65百万円(前期比227.4%)となりました。前期に比べ6,098億55百万円支出が増加した主な要因は、銀行業における有価証券の取得による支出が4,424億26百万円増加し、前連結会計年度において発生した支配喪失会社からの貸付金の回収による収入が当連結会計年度にはなかったことによる収入の減少が2,191億円あった一方で、銀行業における有価証券の売却及び償還による収入が1,565億20百万円増加したこと等によるものです。
財務活動の結果、増加した資金は400億89百万円となりました。前期に比べ392億8百万円収入が増加した主な要因は、長期借入れによる収入が1,600億46百万円増加し、社債の発行による収入が1,452億85百万円増加した一方で、連結範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が1,047億3百万円増加したこと等によるものです。
2027年2月期予想
| 2027年2月期 (予想) |
2026年2月期 (実績) |
|
|---|---|---|
営業収益(百万円) |
12,000,000 | 10,715,342 |
営業利益(百万円) |
340,000 | 270,459 |
経常利益(百万円) |
290,000 | 243,031 |
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) |
73,000 | 72,677 |
1株当たり配当(円) | 中間7.5円〔22.5円〕 期末7.5〔22.5円〕 年間15円〔45円〕 |
中間20円 期末7円〔21円〕 年間40円〔41円〕 |
2027年2月期は、賃上げの進展による所得環境の改善を背景に、個人消費は緩やかな回復基調を強めていくことが期待されます。一方で、物価上昇の影響は依然として残存しており、消費者の節約志向や低価格志向は継続するとともに、価格のみならず品質や利便性、価値を重視した選別的な消費行動が一層強まっていくものと見込まれます。また、足元ではイラン情勢をはじめとする中東地域の地政学的リスクの高まりを背景に原油価格が上昇する等、エネルギーコストや物流コストへの影響が懸念され、事業環境には引き続き不透明な状況が見られます。
このような環境下において、当社グループは、全国に展開する店舗網とマルチフォーマットを有する強みを活かし、外部環境の変化に柔軟に対応してまいります。グループのスケールメリットを最大限に発揮することで、コスト上昇の影響を抑制しつつ、多様化するお客さまのニーズにお応えし、安定的かつ持続的な成長を目指してまいります。
事業戦略の面では、環境変化に柔軟に対応し、さらなる成長を遂げるため、事業ポートフォリオの再構築を進めてまいります。そのスタートとなる2026年度は、グループの調達力・商品開発力・物流基盤を活かした食品分野の競争力強化により小売事業の成長を図るとともに、優先課題である収益性の改善に重点的に取り組み、利益拡大を目指します。加えて、「ライフストア」構想を掲げるヘルス&ウエルネス事業の拡大を進めるとともに、2025年度の利益成長を牽引したディベロッパー事業及びエンターテインメント事業についても、さらなる進化を図り、グループ全体として大幅な営業利益の増加を目指してまいります。
また、2026年度よりグループ通算税制制度を導入いたします。これにより、将来にわたり当期純利益の押し上げ効果を見込むとともに、本業による利益拡大とあわせて税務面における最適化を進めてまいります。これらの取り組みを通じて、かねてからの課題であったボトムラインの改善を図り、資本収益性の向上につなげてまいります。
以上の取り組みを踏まえ、2027年2月期の連結業績につきましては、営業収益を前期比12.0%増の12兆円、営業利益を同25.7%増の3,400億円、経常利益を同19.3%増の2,900億円、親会社株主に帰属する当期純利益を730億円と見込んでおります。