イオンサプライヤー取引行動規範
AEON Supplier Code of Conduct(CoC)
イオンは、お客さまへ安全・安心をお約束しています。そのためには製造過程においても社会的責任を果たすべきと考え、2003年にイオン独自の「イオンサプライヤー取引行動規範(イオンサプライヤーCoC)」を制定しました。イオンサプライヤーCoCは、「従業員の人権が守られた安全で健康的な職場環境が保証され、ステークホルダーや環境への配慮も適切に行われているなかで商品をご生産いただく」ことについて、サプライヤーさまに遵守のお願いをしてきました。
イオンサプライヤーCoCの範囲拡大について
2019年3月、イオンサプライヤーCoCを改訂しました。サプライチェーンに属するそれぞれの組織が、自社と関わりのある組織に対応を要請してくことを強調した内容となっています。一つ一つの組織がこれらの課題に取り組むことは、安全・安心な商品の製造につながり、ステークホルダーへの信頼と安心を得ることにもなります。
また、イオングループにおいては、様々な、事業・サービスがあります。
人権デュー・ディリジェンスの推進、実行を進めていき、そこに関係するサプライチェーンにおいても、本規範を通じた社会的責任を果たしていくよう考えています。
イオンサプライヤー取引行動規範
1.法と規則
事業活動を行う国や地域で適用されるすべての法令や条例、規則を遵守すること。また、それらの法令などおよびイオンのサプライヤー取引行動規範を遵守することを、自社のサプライヤーや下請先、請負先にも要請すること。
2.児童労働
15歳またはその国の法令で使用が許される年齢のいずれか高い年齢に達していない児童を使用しまたは使用を支援しないこと。法令で使用または雇用が許される年齢またはそれ以上で18歳に満たない者は、義務教育法の対象である場合は就学を優先し、身体的および精神的な健康や発達に有害または危険となる状況にさらさないこと。
3.強制労働
採用や雇用の過程で、暴行、脅迫、監禁その他精神、身体および行動の自由を不当に拘束する手段により、従業員の意思に反する雇用や労働を強制しまたはそれに加担しないこと。
4.労働時間
労働時間、休憩および休日に関する法令および業界基準を遵守すること。時間外労働は自発的なものでなければならず、かつ、定期的に要求されるものではないこと。法定労働時間を超えた労働に対しては、定められた時間外手当を支払うこと。
5.賃金および福利厚生
国の賃金および福利厚生に関する法令を遵守すること。関連する法令に基づき、賃金および諸手当の支払いおよび控除を行い、記録を保持すること。賃金は、従業員の基本的ニーズを満たす以上のものであること。支払った賃金の内容は、時間外割増手当を含み、従業員が理解できる方法で説明されていること。
6.虐待およびハラスメント
従業員に対し体罰、精神的または肉体的な強制、および言葉による虐待を行い、関与し、またはそれに加担しないこと。事業活動のすべての場面で、身振り、言語、身体の接触を含む、いかなるハラスメント行為も許さないこと。
7.差別
人種、国籍、民族、性別、年齢、出身地、宗教、学歴、心身の障がい、性的指向と性自認などを理由として、採用、賃金、昇進、訓練、離職、退職などの雇用に関して差別し、または差別に加担しないこと。雇用に関わるすべての判断において、必要とする機能の遂行能力を基準に行うこと。
8.結社の自由および団体交渉の権利
従業員に対し、従業員自らの選択による労働組合の結成、加入、運営および従業員の代表として会社と団体交渉を行う権利を尊重すること。法令で結社の自由および団体交渉の権利に制限が加えられている場合、代替手段として、経営層や従業員代表へ懸念を申し出る苦情処理制度を設け、誠実に対応すること。
9.安全衛生
適用される法令および規則に適合した、安全で健康的な職場環境を従業員に提供するとともに、潜在的な安全衛生に関わる事故や怪我や精神的なものを含む疾病を予防するための有効な措置を講じること。従業員に提供している寮や食堂にも同様に安全衛生の基準を適用すること。
10.環境
製造を行う国および地域の環境に関するすべての法令などを遵守するだけでなく、環境保全に最大限の配慮を行うこと。使用する原材料および部品が、それらが確保される国や地域の法令や規制、国際条約、議定書に適合していることを確認し、イオンが定める環境に関する方針を満たすこと。
11.商取引
最終製品およびその構成品の原産国、輸出国および地域の商取引に関する法令を遵守すること。
12.誠実性および透明性
すべての事業活動において、贈収賄行為、記録や物証や証言の偽造、改ざんおよび隠蔽などの倫理に反する行為について断じて行わないこと。事業活動に関する情報は、適用される規制と一般的な業務慣行に従って正しく開示すること。
13.エンゲージメント
イオンのサプライヤー取引行動規範の要請内容を、自社および自組織のマネジメントシステムに取り入れ、サプライチェーン全体における社会的課題の解決に向けて組織全体で取り組むこと。
・日本語 ・英語 ・中国語(簡体字)・ベトナム語 ・ミャンマー/ビルマ語 ・カンボジア/クメール語 ・バングラデシュ/ベンガル語
・中国語(繁体字)・タイ語 ・ネパール語 ・ヒンディ語 ・ラオス語 ・スペイン語 ・ポルトガル語 ・イタリア語
・インドネシア語 ・マレー語 ・韓国語
人権デュー・ディリジェンス体制の取り組み
イオンは「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」という基本理念のもと「お客さま第一」を実践するためにも「人権の尊重」は重要なことと認識し、自グループ従業員はもとより、サプライチェーンにおいても当然のものと考えています。
イオン行動規範「パートナーとイオン」において、イオンは、商品・サービスについて安全・安心を最優先する取引先を尊重します。イオンは、取引先に対して、国際基準を遵守・実践するよう求めます。としていることからも、取引先(サプライヤー)と協力して事業活動における負の影響の低減、発生の抑制に向けた人権デュー・ディリジェンスサイクルを回していくことを進めています。
サプライヤーさまへの監査、コミュニケーション
プライベートブランド「トップバリュ」のサプライヤーさまは、特に重要な取引先として製造をいただくにあたり、イオンの考え方を説明し、賛同をいただいています。
その上で、イオンサプライヤーCoCへの適合状況を、監査などを通じて確認し、ともに社会的責任果たすため、、不適合事項については継続的改善を実施いただいています。
現在、イオンの監査としては、外部監査、二者監査、一者監査を実施しています。
イオンではグループ従業員による監査員を育成し、特に二者監査では、適合、不適合の確認だけではなく、委託先さま、製造工場さまとコミュニケーションを取り、パートナーして、お客さまの安心、安全に対する期待に応れるよう、対応しています。
お取引先さまへのイオンサプライヤーCoCの周知
新規サプライヤーさま向け説明会
説明会では、パートナーと共に社会的課題へ対応し成長していくという方針を実現するため、サプライチェーンにおける企業の社会的責任やイオンの取り組み、具体的な監査の申請方法やお問い合わせ窓口などもご案内しています。
また、説明会視聴後に、内容をご理解の上、イオンサプライヤー取引行動規範への遵守を契約書や監査を通じて、お約束いただいたサプライヤーさまに製造を委託しています。
2021年度は20社のはじめてお取引をいただく委託先さまが視聴いただいています。
農産サプライヤーさま向け説明会
遵守宣言書
外部監査
事前に対象工場に添付ポリシーを送付し、サインバックを受け監査の申請条件としています。
二者監査
一者監査
監査基準
- チェック項目のリスクウェートレベル
- 重大:5か所
- 高:46か所
- 中:23か所
- 低:156か所
- 是正:要求事項にまったく満たしていないかつリスクが極めて高い場合
- 改善:要求事項に満たしていないもしくは一部偏差があり、かつリスクが比較的ある場合
- 推奨:要求項目でごく一部偏差がある場合
監査結果の評価
イオンサプライヤーCoC監査件数(一者監査は除く)
年度 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | |
---|---|---|---|---|---|
監査 工場数 |
国内 | 445 | 379 | 333 | 292 |
海外 | 397 | 337 | 385 | 232 | |
うち 新規 工場 |
国内 | 89 | 82 | 57 | 82 |
海外 | 203 | 132 | 80 | 68 |
※2020年度、21年度は、SAQ、リモートインタビュー、リモート監査、訪問監査を併用して実施。
重大不適合案件対応(外部監査)
重大不適合案件対応
発生件数と是正対応
- 2020年度
- 2件 書類改ざん、収賄示唆 取引開始には至りませんでした。
- 2021年度
- 0件
取引先さま向けホットラインの設置
従業員へのイオンサプライヤーCoCの周知
イオンの従業員、特にバイヤーや商品開発に携わる者に対しては、定期的に教育を行っています。また、イオングループ企業で、新たに商品部員になった人に対しては、人事部と連携して年2回研修会を開催しています。海外でも、直接製造委託契約を締結する機会も増えたこともあり、海外の営業担当に対する教育も頻繁に実施しています。
また2019年以降商品担当・・品質管理担当向け 品質管理勉強会「寺子屋」においてもイオンサプライヤーCoCの教育を行っています。
(写真:タイでの従業員教育の様子)
イオンサプライヤーCoC 認定監査員の育成
イオン認定監査員は、監査を実施するだけでなく改善のフォローも行っています。特に海外は、社会の環境が年々変化し、国や地域により課題内容も異なるため、地域ごとにリーダーを育成し、監査における評価や監査員や営業担当者への教育などに対して、迅速かつ地域に合った対応ができる体制を整えています。
(表:2022年2月末現在)
- 日本
- 8名
- 中国
- 11名
- アセアン他
- 11名