第97期定時株主総会
株主さまからいただいた主なご質問・ご意見への回答
※株主の皆さまから事前にいただいたご質問・ご意見と株主総会開催中に本会場及びインターネットでお寄せいただいたご質問・ご意見の中から、多くの株主さまにとってご関心が高いと思われるものを中心に回答をさせていただきます。
議案に関して
公益財団法人イオンワンパーセントクラブ(以下「財団」)に株式を直接割当するのではなく、みずほ信託銀行に他益信託する理由と同行を処分先とした理由を教えて欲しい。
- 今回の自己株式処分は、財団の継続的・安定的な活動原資の確保とともに、株式の議決権行使に関する透明性という観点から信託銀行に割当てるスキームを採用しています。信託による管理のもと、財団は配当による信託収益を確実に受け取ることができます。くわえて、議決権行使に関しては、信託契約のなかでイオン及び財団は一切の指図権を有しないこととしており、信託銀行が独立した立場で議決権を行使することが可能となります。なお、処分先に関しては、過去の資産管理面での実績等を踏まえ、みずほ信託銀行としています。
社外取締役が当社株式を保有していない理由を伺いたい。
- 当社は、経営戦略の推進、コーポレートガバナンスの強化、コンプライアンス経営等について、指導・監督できる高い見識や豊富な経験を有することを、社外取締役の選任基準としています。また、社外取締役には、当社が社会において果たす役割、経営理念と経営の基本方針に照らし経営判断を行うとともに、持続的な企業価値の創造に資するという観点から経営の監督にあたることを期待しています。独立した客観的な立場から意見を出せることが重要であり、株式を保有していただく必然性はないと考えています。
経営方針
イオンのDX戦略の概要を教えてください。
- 当社では、店舗・デジタルが融合したシームレスな顧客体験の創造や、データ・AI・経験に基づく迅速な意思決定の実現に向けて取り組みを進めています。昨年よりサービスを開始したグループ共通アプリ「iAEON(アイ・イオン)」については、便利でお得なサービスを提供するアプリに進化させてまいります。同時に、グループ共通顧客IDの一元化を目指した共通会員基盤の構築や、統合したWAONPOINTを活用した新たなロイヤリティプログラムの提供により、継続的なファンになっていただけるようなプロモーションやサービスを展開していきます。イオングループが持つ多様な接点から得られるデータでお客さまニーズを多面的に理解し、データに基づく科学的なアプローチによりお客さまの体験価値の向上と、利益の最大化を両立させていきたいと考えています。
GMS事業が低迷しているがどのように再生する計画なのか。
- GMS事業では、「収益構造改革」と「新たな成長の基盤づくり」を推進しています。
収益面では、AIなどデジタルを活用した在庫の適正化やオペレーション効率化に向けた取り組みを強化しています。また、在庫効率の改善に合わせて、魅力ある商品を投入していくことで、売上・利益を回復させていきます。また、成長領域であるネットスーパー等のデジタルチャネルや、レジゴーなどの店舗体験を強化するデジタル化、販売チャンスを逃さないリアル&デジタルでの接客強化など、様々な領域で改革を行い地域一番店としてご支持いただけるよう改革を進めていきます。 多くの上場子会社を有しているが親子上場の解消について検討しているのか。
- 当社は、グループ各社に、それぞれの事業・地域特性を踏まえた自律的経営により持続的な成長をするよう促しています。特に、更なる飛躍が期待できる会社については、資本市場からの規律をベースとする自律・他律によるガバナンス向上を通じて各社の経営の質の向上を図ることを主目的として、個社ごとに十分に検討した上で、上場子会社とするかどうかを決定することを方針としています。なお、上場子会社に対しては、少数株主保護の観点から、独立社外取締役の選任や独立役員による指名・報酬委員会の設置などを要請しています。
海外情勢
ウクライナ侵攻のイオンへの経営リスク及び対応に関して教えて欲しい。
- ウクライナ・ロシア両国において、店舗展開等の事業は行っていません。
しかしながら、主に「物流」と「原材料コスト」に影響があります。原材料コストに関しては、輸送コストほどの影響は出ていませんが、両国が小麦や飼料穀物の世界的な産地であることから、今後小麦や畜産物相場に影響が出ることが予測されます。ソーシング先の変更・分散、物流の合理化・効率化により、影響を軽減する対応をとっています。 中国は大きな市場だが固有のリスクがある市場でもある。これらに関する認識と対応を伺いたい。
- 中国のみならず、諸外国における政治、社会体制の違いをはじめとする固有のリスクを認識した上で各地域のお客さまに満足していただけるように事業を進めていくことが重要であると考えています。中国では、1985年に事業を開始し、既に30年以上が経過しています。事業を通じた中国のお客さまやお取引先さまとの関係づくりに留まらず、植樹活動や環境社会貢献活動を積極的に行い、地域における関係性を深めてきました。また、長年の事業展開を通じて、市政府とも良好な関係を構築しています。カントリーリスクについては、あらゆる国や地域に存在します。イオンは、「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」ことを基本理念に定め、全ての企業活動の指針としています。大きなリスクが発生した場合においても、この基本理念を判断の指針として、対応していきます。
店舗・サービス
ネットスーパーを強化してほしい、既存店舗と競合していくのか、すみ分けていくのか。
- お客さまは、ご自身のその時々の都合によって、オンラインとリアルを使い分けされています。オンラインでの買い物が生活の一部となっていくなか、お客さま視点に立って、様々なチャネルを持っていることが競争優位性に繋がると考えています。
オンラインとリアルは、対立する関係ではなく、双方がシームレスに融合している状態を創ることが、お客さまの支持に繋がり、企業価値向上に繋がっていくものと考えています。 セルフレジ、レジゴーの取り組みについて、今後どのように展開していくのか。
- 当社では、レジ待ち時間の短縮など、お客さまにご満足いただける店舗環境の構築を進めています。従業員が商品の登録を行いお支払いのみお客さまに実施いただくセミセルフレジや、スマホを使ったどこでもレジ・レジゴーの導入を進めています。セミセルフレジは、レジ待ち時間の短縮に加えて、お客さまの非対面・非接触のニーズに対応するレジとしてご評価もいただいています。お客さまニーズに合わせてレジを選択いただけるように今後も計画的に導入を進めていきます。
生体販売に伴うリスクへの考えと今後の方針は。
- 生体販売につきましては、ペットとの新生活を始めようとお考えの方に出会いの場を提供する重要な役割を担っているという側面があります。取引のある生体販売企業さまとは、法令に基づく経営、店舗管理がなされていることを適宜確認し、協力・指導・管理をしています。くわえて、各地で譲渡会の開催や里親探しの常設施設設置等によりペットと人の出会いの新しい形態を進めることなどにも取り組み、業界の更なる健全化に貢献していきたいと考えています。
雇用について、アルバイトの年齢制限を解除してはどうか。
- 当社は、「国籍・年齢・性別・従業員区分を排し、能力と成果に貫かれた人事」を人事の基本理念としております。意欲のある従業員が年齢に係わらず活躍できるよう、雇用の上限年齢の更なる延長や廃止を含め検討を進めていきます。
商品
原材料価格が高騰しているが、対応策をどう考えているか。
- 材料費の高騰は、円安も加わり、従来にはないほど製品コストに大きく影響するようになってきています。しかしながら、イオンでは、お客さまの暮らしを支えたいという想いで、自社とお取引先様、関係者全員で創意工夫や努力を重ねて、可能な限り原価の上昇分をカバーしてまいりたいと考えています。価格凍結宣言を行ったイオントップバリュの商品はお客さまのご支持をいただき、売上を伸ばしています。今後も、お客さまが必要とされる高い品質の商品を、お値打ち価格で安定的に提供できるよう努めていきます。
ネットスーパーなど、トップバリュが購入できる場を広げてほしい。
- トップバリュは店舗にくわえ、ネットスーパー等でもお求めいただけます。
なお、トップバリュは、加工食品、デイリー食品、H&BC(消耗雑貨)の商品で約5千品目がございます。
※トップバリュのお求めはこちらから
環境・社会貢献
今後、新たな社会貢献活動を行う予定はあるか。
- 2022年度より新しい社会貢献活動の取り組みとして、これまで以上に従業員が地域に根ざした活動を推進する「イオン ハートフル・ボランティア」 をスタートしました。
それぞれの地域に存在する社会課題の解決へ向けて、イオンの従業員が地域のステークホルダーの皆さまと共に、ボランティア活動を推進します。
株主優待・株主還元・その他
イオンラウンジが閉鎖されたままだが、再開しないのか。
- 株主の皆さまにはご迷惑をおかけしています。
店舗により規模は異なりますが、多くのラウンジは密閉した空間です。くわえてご利用人数が多い施設となっております。イオンラウンジを導入した当初と比べると、大きく環境が変わっており、それらの課題の解決も含め検討中です。再開が決まりましたら速やかに皆さまにお知らせしますので、ご理解いただきますようお願い申し上げます。 イオンオーナーズカードについては今後も続けていくという考えか。
- オーナーズカードを使った現状の株主さまご優待につきましては、株主の皆さまから高いご支持をいただいており、ご利用率も非常に高いものとなっています。株主さまは、お客さまとしてもイオンをご支援いただいている重要な存在であり、より魅力的なご優待となるよう努めてまいります。
株価が下がった理由をどのように考えているか。また、その対策は。
- 2021年度は、営業収益で過去最高を更新し増収増益となりましたが、想定以上のコロナ影響の長期化、消費マインドの回復遅れや、一部店舗の休業、営業時間短縮といった影響が続き、利益面で目標数値に未達となりました。こうしたことが株価に影響している一要因と考えています。一般的に株価は、直近の業績だけではなく、マーケットにおける需要と供給をはじめ、金利、為替といった様々な要因が影響します。特に企業の成長戦略や将来性等に対しての期待値が、株価に影響を及ぼす大きな要素であると考えています。当社としては、中期経営計画を着実に実行し、業績への反映を実践していくことで、イオンへの期待値を高めていきたいと考えています。
配当金の方針及び、当期の予定を教えて欲しい
- 当社の株主還元政策は、中長期的な成長による企業価値向上と利益還元のバランスの最適化を図ることを重点施策と位置付け、連結業績を勘案した配当政策を行っています。1株当たり年間配当金につきましては、前年以上を維持しつつ、連結配当性向30%を目標として定め、さらなる利益成長ならびに株主還元に努めていきます。なお、2022年度に関しては、1株あたり、中間配当金18円、期末配当金18円で年間36円を予定しています。