社長からのメッセージ

グループシナジーを活かし、
自己の成長を地域の豊かさにつなげていく企業を目指して

平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 世の中では、賃金上昇を上回る物価上昇の長期化、人手不足や原材料高騰によるコスト上昇圧力、甚大な自然災害の多発、さらには世界経済の分断リスクの高まりなど、多くの社会課題が顕在化し、お客さまの暮らしに深刻な影響を与えております。我々は、お客さまの暮らしにおけるセーフティネット、インフラとして地域に根差した経営を実践し、社会課題の解決にも寄与する「理念に基づく経営」を目指しています。「社会課題の解決」と「企業としての利益拡大」を両立させ、地域になくてはならない存在となっていくことが、サステナブルな経営につながっていくものと考えております。

 特に、長期化する物価高によってお客さまの日々の生活が逼迫されている状況を課題として捉えており、原材料や人件費の高騰を理由に安易な値上げを行うのではなく、常にお客さま目線で考え、納得いただける品質をお値打ち価格で提供してまいります。当社の理念を体現するプライベートブランド「トップバリュ」を中心に、物流の効率化や原料調達の最適化をはじめ、サプライチェーン全体の改革による企業努力を推進しています。トップバリュはお客さまからの支持も高まり、売上規模は1兆円を超え、ナショナルブランドに匹敵するひとつのブランドとして認知されるまでに成長しました。

 また、足もとでは、災害級の猛暑や大規模な水害など、地球温暖化による影響とその深刻さを感じる機会が増えております。世の中における「環境・グリーン」への関心や問題意識は着実に高まっておりますが、温暖化による気候変動は日に日に進んでいます。地域生活者であるお客さまにとって、我々の店舗、商品やサービスをご利用いただくことが自然と環境に配慮した行動につながる。我々の事業活動そのものが環境対応となり、お客さまとともに世の中の環境への関心と実効性を高めることにつなげていきたいと考えております。

 一方で、社会課題の解決と、企業の持続的な成長を両立させるには、安定した経営基盤の構築が不可欠です。そのため、店舗のデジタル化による生産性向上や、スケールを活かした商品・資材の共同調達にも積極的に取り組んでおります。併せて、資本政策の見直しやM&Aの推進、グループ企業の統廃合や整理による経営効率の向上など、これまでよりさらに踏み込んだ事業構造改革をすすめ、収益性を高めてまいります。

 今後も、事業を通じて地域社会への貢献を実践し、イオンの成長が地域の豊かさに結びついていくことで、多くの皆さまから共感と支持をいただける企業でありたいと考えております。引き続き、基本理念に基づいた経営を推し進め、世の中のさまざまな変化を見据えた革新を行い、さらなる挑戦を続けてまいります。

イオン株式会社 取締役 兼 代表執行役社長 吉田昭夫

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